ベリワイド100の秘密
私がベリワイド100を非常に気に入っているのはご存知かと思います。6×10のフォーマットで撮れ、スーパーアンギュロン47mm/f8が付いていて、非常にコンパクトなこのカメラが大好きでたびたび持ち出しては使用しています。レンズの描写がこれまた素晴らしいのですよ~。大好きです。
このカメラ実は結構珍しくて、綺麗なのを(安く)手に入れようとするとかなり苦労します。そういえばこの間の中古市のダイレクトメールがベリワイド100でびっくりしましたね。こんなマニアックなカメラがなんでこんなに有名なのか考えると、思うに写真工業に度々登場するからではないでしょうか。写真工業って同人誌みたいな雑誌ですが結構長く続いてますよね。超広角レンズ特集号になると必ず登場するのがベリワイド100なのです。そしていつも同じ人が記事を書いていて、いつも間違った記述をしているのです。情報は少ないのでそれが一般化してしまうんだから怖いですよねえ。なのでここはひとつその間違いを訂正しておきましょう。
ベリワイド100にはバージョンが2つあります。前期型と後期型。前期型が水準器が1つで、後期型が水準器が3つです。写真工業ではいつも逆に書いてあります。写真は1959年製シリアル番号38番のもの!まだライツのファインダーが付かないで売っていたもののようで、その頃の速写ケースは背が低くて(ファインダーのぶん)赤茶色でした。
そしてレンズ鏡胴にはフィートのみが書かれています(メートルのみというのが作られたかどうかは不明)。その後ファインダー付きが売り出されて、距離表示もメートルとフィート併記になり、速写ケースが縦に大きくなり、色も黒になりました。
おまけでこれはたぶんプロトタイプ。黒塗りだし、フレームファインダーの形も変わっています。こちらも水準器は1つですね。このように写真工業の記述は間違っているんです。
後期型になると水準器が丸いボディ埋め込み式1つから、外付けの円柱型3つになりました。他はたぶん変わってないと思います。
たぶん前期型の途中から付けられたと思われるライツのファインダーは21mm用のものをブライトフレームを横長にして専用品となっています。上には「VERIWIDE 100 BROOKS NEW YORK」と彫り込まれています。ブルックス社はこのカメラを発注したアメリカの会社です。
シャッターはコンパーの00番。非常に小さなシャッター音で1/30sで撮るときにちょっとだけチュッといいます。
フィルター径は40.5mm。通常のフィルターをつけてもけられないようです。たぶん。
フードは専用のものは存在しませんがグラフレックスXLSW用のものが付きます。が大げさですが効果はありそうですね。このフードにシリーズ8用のアダプターが付いていて、シリーズ8のフィルターも使えるようになります。
ストラップが考えもので、マニュアルにはローライフレックス用を使えと書いてあるのですが、あのカニツメガードが付いていないのでスルッと取れそうで怖くて使ったことありません。三脚穴にハンドストラップを付けて使うことが多いです。
びっくりするのがローライフレッックス用のローライフィックスやローライグリップが使えること!わざと同じサイズにしてあります(これを使えってマニュアルに書いてある)。なので三脚に付けて使いたい場合はローライフィックスを持っていると便利です。
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