今日は時計の話です。機械式カメラが好きな方は機械式時計もお好きなんじゃないでしょうか?時計はクォーツ、デジタル時計時代にかなり機械式時計は淘汰されてしまいましたが、今はかなり復興してます。カメラもいつかそうなるといいですね。
私は機械式時計の中でも、特に非常に精巧で複雑な機械が入っている機械式クロノグラフが好きです。今までSINN 903という手巻きのクロノグラフを愛用していましたが、思うところあって買い換えることにしました。
世界中にたくさんの時計メーカーがありますが、中に入っているメカ(ムーブメントと呼びます)は、自分たちで作らず買ってきて、必要なら改造して時計を作っているところがほとんどです。自分たちでムーブメントから作っている会社はロレックス、ジャガールクルト、ゼニス、セイコーぐらいではないでしょうか。あともう少しあるかもしれません。機械式クロノグラフとなると作れる技術を持っているところは非常に少なく現行品となるとあまりありません。その中でもいろいろ特徴があって、やっぱり機械式時計はブランドや見た目だけじゃなくて、ムーブメントにもこだわって買いたいものです。
大きく分けて自動巻きと手巻きに分かれます。手巻きは普通に手に入るのは1つのメーカーのみです。
レマニア1873
横目(小さい丸が横に並んでいるのでそう呼びます)で、9時位置に通常の秒針(永久秒針)があり、30分計が3時位置、12時間計が6時位置にあります。月に行ったので有名なオメガのスピードマスタープロフェッショナルがこのムーブメントです。他に私が持っているSinnの903やブライトリングのコスモノートなど。手巻きの横目はたいていこれです。歴史があり、コストのかかっている少量生産のムーブです。手巻きが良ければお勧めです。
このムーブメントのコピーでロシア製のポルヨット3133があります。ロシア製クロノグラフはこのムーブが入っています。
自動巻きは数種類あります。もっともたくさん使われているのは
バルジュー7750
縦目のクロノグラフのほとんどはこのムーブです。大量生産向けに作られたもので、ストップウォッチの押し感触に関わるコラムホイールがカムになっていたりして、コストダウンを限界までしたものです。このムーブが入った機械式クロノグラフは安いものは50000円ぐらいから買えるという逆に画期的なムーブです。高級時計メーカーもこのムーブを使っていますが、独自に改良しているメーカーもあるようです。クロノメーター認定(簡単に言うと精度が高い証明のようなもの)されているメーカーもあります。
この他に縦目のクロノグラフは
レマニア5100というのがありましたが数年前に生産中になってしまいました。このムーブメントの特徴は、中央の60秒針がある位置にもう1本針があって、これが60分計だということです(写真の飛行機方の針)。12時位置は24時間計ですし、すぐわかります。SINNやTUTIMAとかに使われていました。あとセイコー6S77Aというムーブメントもあります。これはセイコーのみが採用していて、パワーリザーブ付き(ゼンマイの巻き上げ具合がわかる)です。
横目の自動巻きクロノグラフは見分けがつきにくいです。永久時針がどこにあるかで大体見分けがつきます。6時位置にあるのが
ロレックス4130
ロレックスの現行「デイトナ」に搭載されているのがこのムーブです。長年ロレックスはクロノグラフだけは自分達で作れず、他のメーカーから買っていましたが(一世代前のデイトナはゼニス400)念願かなって数年前に完成したムーブです。ロレックスのデイトナ1162520以外には使われていません。
そして先代のデイトナが採用していたのが、ゼニス社の
エルプリメロ400
です。永久秒針は9時位置、3時位置に30分積算針、6時位置に12時間針です。日付が4時と5時の間にあることが多いです。10振動(1秒に10回秒針が動く)というハイビートです。限られたメーカーにしか採用されていません。世界最高のクロノグラフムーブメントの一つです。私も持っているROLEXデイトナ16520はこのムーブを独自に改良し、8振動にして採用しています。
これと間違いやすいのが最近開発された
フレデリックピゲ1185
です。オメガとの共同開発とのことで、最初はスピードマスターブロードアローに採用されたようです。このムーブはエルプリメロとまったく同じ配置なので(配置はレマニア1873も同じです)外観では区別がつきにくいです。日付は6時に位置にあることが多いですがこれは決め手になりません。このムーブは6振動のロービートなので秒針の動きや耳を当てて音を聞くとわかるかもしれません。コラムホイール採用でクロノメーター認定の高級ムーブメントです。
そして最もたくさん使われている横目の自動巻きクロノグラフは
ETA2894-2
です。このムーブメントは3時位置に永久時針があるのでわかります。これもETA社の汎用量産ムーブメントでたくさんのメーカーで使われています。このムーブはよく二階建てと言われて、マニアには嫌われているのですが、普通の自動巻き時計にクロノグラフムーブを後付けされています。やはりマニアはクロノグラフ専用ムーブメントがお好きなようです。
他にもクロノグラフのムーブメントはいくつかあるようですが、普通の人が選択できるのはこの中からだと思います。
(時計好きですがそれほどマニアでもないので、間違っている記載があるかもしれません)
続く。
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